岡口基一裁判官に対し、東京高裁から最高裁へ懲戒が申し立てられた。毎日新聞の記事を引用する。
犬の所有権を巡る民事訴訟に関し、個人のツイッターに不適切な投稿をしたとして、東京高裁は24日、民事部の岡口基一裁判官(52)について最高裁に懲戒を申し立てた。インターネット上の投稿を巡る懲戒申し立ては初めてとみられる。最高裁は今後、全15裁判官が関与する大法廷で分限裁判を開き、処分の可否などを決める。
この件について、ご本人が懲戒申立書の写真をアップしていたので引用する。
岡口さんの元ツイートは、アカウント自体が削除されてしまったのでもう確認できない。しかし、申立書から引用すると、下記の内容だったようである。
公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、3か月くらい経って、もとの飼い主が名乗り出てきて「返してください」
え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3か月も放置しておきながら・・・
裁判の結果は・・・・
で、当該裁判に関する記事のリンクが続くと。
どの記事を引用したのかは不明だが、当該事件については、例えば下記リンク先にも内容が書いてあるので興味のある方はどうぞ。
この「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3か月も放置しておきながら」という部分が、岡口裁判官自身の意見と勘違いされたらしい。
で、このツイートを見た当事者(元の飼い主)は、岡口裁判官に批判されたと思ってしまったのだろう。
冒頭で引用した毎日新聞の記事にはこう書いてある。
岡口裁判官はこの裁判を担当しておらず、「記事を要約したつもりだったが、軽率で申し訳ない」と釈明したという。
岡口さんの認識は、要約である。当事者の主張を短くまとめただけだったのだろう。
多分下記のように赤字の部分を付け足していたら勘違いされなかったと思う。
公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、3か月くらい経って、もとの飼い主が名乗り出てきて「返してください」
現在の飼い主「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3か月も放置しておきながら・・・」
裁判の結果は・・・・
しかしこれで処分するのかね。まさに「この程度」って感じがするんだけど。
裁判例を要約して紹介しただけなのに、当事者に誤読されてクレームを入れられたというのが事の真相ではないか。
まあ当事者が誤読してしまうのも分からなくは無い。だから「ごめんなさい」って謝れば済む話だと思うんだけど。懲戒まで必要かね。
国民の皆さん、どう思いますか。
ところで、岡口さんと言えばパンツ一丁である。
この点についてくれぐれも誤解のないよう強調しておくが、岡口さんが裁判所当局からパンツ一丁をとがめられたことは一度もない。
ただ、上半身を縄で縛られた写真を投稿したことを注意されただけだ。
それは以前下記の記事で詳しく書いた。
つまり「パンツ一丁はセーフ、縄で縛るとアウト」という基準が裁判官の世界で確立されたと言える。
この基準を確立したのは現最高裁判事の戸倉三郎氏である。
彼の名にちなみ、この基準は「戸倉基準」と言われている。
戸倉基準によって「パンツ一丁の自由」は保障された。
したがって、以後、他の裁判官がパンツ一丁の写真をSNS等で披露したとしても処分されないのだ。みんなどんどんパンツ一丁になればいいよ。
この「パンツ一丁の自由」は新しい権利としてそのうち憲法の教科書にも掲載されるであろう。
司法試験受験生の諸君、ここは来年の司法試験に出るかもしれないからよく覚えておくように。