モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

モノシリンがあらゆる「仕組み」を3分でまとめていきます。

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【34】蒸気機関のまとめ~水の状態変化を利用~

【わかりやすくまとめると・・・】

・蒸気機関は,金属の筒の中で,蒸気の力を使ってピストンを上下させる装置。

・最初は蒸気が冷えて縮む際の力を利用していたが,後に膨らむ際の力を利用するようになった。

・ピストンの上下運動を,部品をうまく組み合わせて回転運動に変えている。

 

f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 蒸気機関というのは,原動機の一種だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 原動機というのは,自然エネルギーを機械力に換える装置のことだよ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 馴染みやすい名前でいうと,エンジンということかな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そういうことだ。ここでは,蒸気機関のうち,レシプロエンジンと呼ばれるものについて説明しよう。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain レシプロエンジンは,非常に単純に言うと,筒の中でピストンを上下させる装置だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain ピストンを上下させる力として,蒸気が使われている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 太郎,水が蒸発する際に,体積が一気に増えるのは分かるかな。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 熱で分子の動きが激しくなり,分子が飛び回って広がるから,体積が増えるんだよね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。それを一気に冷やすとどうなる?
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 体積が一気に戻るね。蒸気で生じた圧力も一気に下がるだろうな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。最初の蒸気機関は,生じた蒸気が元に戻った時に生じる気圧差を利用していた。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain まずピストンの入った筒の中に蒸気を入れる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain なお,ピストンはシーソーみたいな装置につながっている。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そしてそのシーソーの片方に重りがついているから,ピストンは普段筒の上部に上がった状態だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 話を戻そう。蒸気の入った筒を冷却水で急激に冷やす。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうすると,圧力が一気に下がって,ピストンが引っ張られて下に下がる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain それに引っ張られて,シーソーの片方が上昇する,というわけだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain これを,鉱山で石炭を掘る際に発生する地下水の排水に利用したんだよ。

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↑ニューコメンの蒸気機関

出典:蒸気機関 - Wikipedia


f:id:monoshirin:20151008215749j:plain なるほど。膨らんだものが縮む際の力を利用したわけだな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そういうことだ。そして,次に,膨らむ際の勢いを利用した蒸気機関が発明された。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 技術が発達して,膨らむ際の勢いでもピストンを動かせるようになったんだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 膨らませた蒸気は,水で冷やしてまた元に戻す。これを繰り返してピストンを動かすことになる。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain さらに,ピストンの両サイドに交互に蒸気を吹き出す複動式蒸気機関が発明された。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 機関車って,それで動いているのかな。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そのとおり。ちなみに,蒸気機関のように,筒の外側で燃料を燃やすタイプのエンジンを外燃機関というんだ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ということは,筒の内側で燃料を燃やすタイプのエンジンがあるということだね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そう。現在主に自動車に使用されているガソリンエンジンは,筒の内側で燃料を燃やしている内燃機関だ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 筒の内側で,燃料と空気を混ぜた気体に着火して爆発させて,その勢いでピストンを動かしている。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ピストンが上下するのは同じなんだな。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain ところで,ピストンの上下運動がどうして車輪の回転運動になるんだい?
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 部品をうまく組み合わせて,上下運動を回転運動に変えているんだよ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 太郎,自転車を漕いでいるときを想像してごらん。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 自転車を漕ぐ動きというのは,よくよく考えてみると,足を上下に動かしているだけのように思えないかい?
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain 言われてみれば,そんな気がするね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain だが,ペダルがついているから,上下の運動が回転運動に変わるわけだよね。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain エンジンの中もそれに近いような仕組みがあるということだよ。
f:id:monoshirin:20151008215749j:plain そうか。ペダルみたいな役割をする部品がついているから,回転運動にかわるわけだな。

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出典:内燃機関 - Wikipedia

作者:UtzOnBike


f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そうだ。ところで,エンジンの力の大きさを表す単位として,馬力が用いられているよね
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain これは最初の蒸気機関の用いられ方に由来しているんだよ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain 炭鉱で石炭をほるために掘り進んでいくと,どうしても地下水が湧き出てきてしまう。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain この水を排出するために,最初はたくさんの馬を使用していたんだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そこへ,蒸気機関が登場し,馬の代わりに排水をするようになった。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そして,蒸気機関を売り込む際に,「馬何頭分の働きをしますよ」と言えば分かり易い。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そこで,蒸気機関の力の単位として「馬力」という表現が使われるようになったんだ。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain このように機械力を利用することによって,大量生産が可能になった。
f:id:monoshirin:20151008215747j:plain そして,大量生産に大きく関係するのが,産業革命だ。次は産業革命について話すことにしよう。

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