【分かりやすくまとめると・・・】
・ヒトが文字を記録する対象は,粘土から葉・木・竹,パピルス,羊皮紙,そして紙へと変化していった。
・紙は原料となる植物をどろどろにして平らに伸ばし,乾燥させたもの。食物繊維が絡まりあってできている。
・紙は大量生産できるため,安い。だから,たくさんの人が紙を使用できるようになり,教育レベルが向上した。
今,太郎は当たり前に紙に文字を記録しているけど,紙が無かったらどうなるかな。
ノートパソコンとかスマホとかタブレットがあるから何とかなるんじゃないかな。
今の時代は確かにそうだね。じゃあそういう便利な機械もなかったらどうだろう?
うーん。不便だね。何か代わりの物に書くだろうね。
そう。紙が無い時代,人類は紙ではないものに文字を書いていた。何だと思う?
なんだろう。石かな。
石は固くて文字が書きづらいよね。人類は最初,粘土に文字を書いていたんだ。
粘土なら柔らかいし,形も変え易いからね。さらに保存も効く。
でも,かさばるよね。粘土板をたくさん持ち歩くなんてできないよ。
そう。粘土はそれが欠点だ。他に文字を書くのに使用していたものとして,葉っぱや,木,竹なんかがある。
ただ,葉っぱは書ける面積が狭い,木や竹は保存は聞くけど粘土と同じで非常にかさばる。
それと比べると紙ってすごいんだね。
そうだね。それで,人類は紙に似たパピルスというものを生み出した。
これは,パピルス草という植物の茎を薄く切り,縦横に重ねて、さらに水を加えて押固めて乾燥させたものだ。
縦横に重ねるって,手編みのセーターみたいな感じかな。
まあそんな感じだね。パピルスはかさばらないから,非常に重宝された。
ちなみに,英語のpaperの語源はパピルスと言われている。
しかし,パピルス草の茎を切ってたくさん重ねていかないといけないから,非常に手間がかかる。
要するに大量生産ができない。
大量に作れないということは,それだけ貴重だということだから,値段が高いわけだね。
そのとおりだ。だから,お金持ちの人しかパピルスを使えないことになる。
次に,パピルスと同じ時代に存在した記録媒体として,羊皮紙がある。
これは,動物の皮を加工して作ったものだ。パピルスよりも生産に手間がかかるから,パピルスより高価だった。
ただ,羊皮紙はパピルスと違って非常に保存性がいい。
だから,大事な記録に羊皮紙が使用されていた。現在も高級な本に使用されていたりする。
紙は,原料となる植物から繊維を取り出し,それを絡み合わせたものだ。
簡単に言うと,原料となる植物を煮たりしてどろごろにし,それをすく,つまり平らに伸ばして乾燥させて作る。
※↑中国の「天工開物」という書物に記された竹紙の作り方。
植物繊維って何?
セルロースのことさ。セルロースは炭素,水素,酸素からできている。
炭素,水素,酸素で出来ているということは,炭水化物の一種だね。
ところで,植物ということは,例えば木からつくるわけだよね。どうして紙は白いの?
製造過程でセルロースだけを取り出すからさ。セルロースの色は白。それ以外の不純物は除外されている。
紙はパピルスや羊皮紙に比べれば大量生産することができたし,丈夫だった。それに軽かった。
最初は中国で生まれた紙は,あっという間に世界中に普及していった。
これによっていろんなことが可能になった。特に教育に与えた影響は大きいね。
教科書とかノートとか,紙が無いと成り立たないもんね。
そうだ。紙が人類の学習に与えた影響は非常に大きい。
紙があるからこそ,教科書もノートも作ることができ,高い教育レベルを実現できるからね。
パピルスや羊皮紙では値段が高すぎて,みんながこれを使って学習をすることはできない。
紙のおかげでみんなが勉強しやすくなったわけだね。
そうだ。では次に,その紙に文字を印刷する手段の進化について見てみよう。
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