【分かりやすくまとめると・・・】
・農耕・牧畜による食料生産が可能になり,人類の人口は飛躍的に増大した。
・たくさんの人をまとめる必要ができたので,国が生まれた。また,食料生産以外は一部の人だけがやればいいので,それ以外の人に余裕ができ,様々な職業が生まれ,学問も発展した。
・「日本人は農耕民族」「欧米人は狩猟民族」という考えは間違い。どちらも農耕をしている。
ヒトは最初,狩猟・採集生活をしていた。
動物を狩って食べたり,自然に生えている植物を食べたりしていたんだね。
そうだ。この狩猟採集生活では,人口の増加に限界がある。
そうだね。取る対象の動物や植物を食べつくしてしまえば,自分たちも生きていけなくなるからね。
そのとおりだ。狩猟・採集生活のように,自然に存在するものを得ていくだけでは,人口増加はやがて限界を迎える。
その限界地点では,きっと食糧難になっているだろうね。
そうだ。そこで,ヒトは自ら食料を生み出す方法を考えだした。それが農耕だ。
農耕というのは,田畑に種や苗を植えて,植物を育てることだ。
ヒトは,小麦や稲などの穀物を農耕によって大量に生産できるようになった。
また,ヒトは農耕を生み出すのとほぼ同時期に,牧畜も生み出した。
牧畜というのは,牛や羊等の家畜を人工的に増やしていくことだ。
自然に干渉して自ら食料を生み出すという点では農耕と同じだね。
対象が,動物か,植物か,の違いしかない。
そのとおりだ。こうやって,ヒトは自然から食料を奪うだけではなく,自然に干渉してみずから食料を生み出すことを始めた。
これによって,ヒトの人口が大きく増えた。そうすると,どうなると思う?
ヒトがたくさん増えるから,争いごとが起きそうだね。
そうだ。だから,ヒトをまとめる国という存在が必要になる。
国があるということは,法律も生まれることになり,その法律を作る政治家も登場することになるね。
そうだね。また,一部の人が農耕・牧畜をすれば十分にみんなの食料を確保できる。
そして,それ以外の人は,食料生産以外のことをすることになる。
多様な職業が生まれていくわけだね。
狩猟・採集生活では,ほとんどの人が食料確保に関係しないといけないから,多様な職業は生まれないね。
そのとおり。農耕・牧畜社会になって国ができ,さらには多様な職業が生まれた。
その多様な職業の中には学者もあって,いろんな学問が発展した。
太郎,世界四大文明って知っているかい。
エジプト文明,メソポタミア文明,インダス文明,黄河文明でしょ。
そうだ。その4つの文明に共通するものは何だと思う?
大きな川の近くにあったという点かな。
そのとおりだ。この4つの文明が大きな川の近くで発展したというのは偶然ではない。
農作物を育てるための水が簡単に得られたから発展したのかな。
そのとおり。これらの文明に共通するのは,灌漑農法によって農耕していたという点だ。
灌漑というのは,農地に外部から人工的に水を供給することだよ。
川が近いから,灌漑農法がし易かったということだな。
それで大量に人口を養うことができ,やがて国家が生まれたということなんだね。
農耕・牧畜って手間がかかるから,短期的に見ると,狩猟・採集より効率悪いように思えるよね。
だけど,長い目で見れば,狩猟・採集よりはるかにたくさんの食料を得られるから,効率が良いんだね。
そうだ。農耕・牧畜のように,長期的な視野にたって物事を考えることができるのは,理性を持つ人間だけだ。
人間以外の動物は目の前のこと以外考えることができないからね。
ところで,よく「欧米人は狩猟民族」で「日本人は農耕民族」って言われるよね。
でも,今までの話を聞くと,どっちも農耕すると言う点では同じだと思うんだけど。
そうだね。その言い回しはよく聞くけど,正確ではないね。農耕は文明を持つ国であればどこでもしているからね。
では,次に文明の発展について話をしよう。
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