【分かりやすくまとめると・・・】
・生物の体はタンパク質でできている。
・DNAにはタンパク質の設計図が入っている。
・進化は設計図のコピーミスによる突然変異の積み重ね。
進化を理解するのは、まずDNAを理解する必要がある。
人間の体は何でできているか知っているかい。
それは知っているよ、タンパク質でしょ。
正解だ。そしてそのタンパク質というのは、アミノ酸という物質が組み合わさって出来ている。
DNAはね、このアミノ酸の組み合わせ方を決める情報を記録しているんだ。
タンパク質の設計図を記録していると言い換えてもいい。
アミノ酸の組み合わせが違うと、違う種類のタンパク質が出来上がるの?
そうだ。そうやって様々な種類のタンパク質が組み合わさって、生物の体は出来上がっている。
だから、DNAは生物の設計図を記録しているとも言えるね。
DNAというのは、デオキシリボ核酸の略称だ。
この物質は、デオキシリボース、リン酸、塩基という3つの物質で出来ている。
ちなみにDNAが存在しているのは、細胞の中の核と呼ばれる部分だ。
また、DNAが集まって出来上がっているのが染色体だ。
このDNAを作る物質のうち、重要なのが塩基。この塩基は細かく分けると4種類ある。
アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4つだ。この頭文字をとって、AGCTと呼ぼう。
DNAは、このAGCTの並べ方によって、タンパク質の設計図を記録しているんだ。
まるで暗号みたいだね。4つの文字で設計図を表現しているわけだ。
そうだね。DNAに記録された情報は、RNAポリメラーゼというタンパク質の一種によって、RNAにコピーされる。
RNAはリボ核酸の略で、DNAによく似た物質だ。
作者: Antilived, Fabiolib, Turnstep, Westcairo
厳密に言うとRNAは3種類あるけど、ややこしくなるから省略する。
次に、リボソームという機関が、RNAに記録された情報を読み取り、タンパク質を作り出す。こうやってタンパク質はできている。
DNAは細胞の核の中にあって、そこから出ることができない。
だからRNAを使ってリボソームに情報を伝える必要があるんだ。
USBメモリに入れたデータを、別のUSBメモリにコピーして、そのデータを機械に入力して、製品を作るようなイメージかな。
そのとおりだ。そしてこのAGCTの並び方が、遺伝子と言われているものなんだよ。遺伝子とは遺伝情報のことさ。
USBメモリがDNAで、そこに入っているデータが遺伝子なんだね。
そう。そして、ある生物の持っているすべての遺伝子のことを、ゲノムと呼んでいる。
例えば、ヒトのゲノムといえば、ヒトの持っているすべての遺伝子のことを指す。
ひょっとして、突然変異って、DNAのAGCTの並び方が親と違ってしまうということ?
そのとおり。親からそのままコピーされるはずのAGCTの並び方が、親と違ってしまうことによって突然変異が生まれるんだ。
遺伝子のコピーに失敗したわけだね。
そうとも言えるね。突然変異で生まれた子供は、親とは異なる形や性質を持つ。例えば、親より首が長いとか。
そして、その首が長いという特徴が、環境にうまく適応すると、その子供の子孫達は順調に増えていくことになる。
それ、キリンだね。キリンはたまたま突然変異で首が長くなって、それが環境にうまく適応できたから、増えていったんだね。
そうだ。逆に、突然変異が起きても環境に適応できなければ、その突然変異した個体の子孫は増えていかないことになる。
環境に適応できるかどうかで、生き残るものが選択されていくというわけだ。
こういう考え方を自然選択説というんだよ。
突然変異と、自然選択で、生物は進化をしてきたんだね。
キリンは首を長くしたいと思ったから進化したわけじゃないんだね。
そうだ。たまたま首が長いものが、環境にうまく適応したから、生き残った、というだけなんだ。
でもね。太郎。科学は常に進化している。
だから、生命の進化の考え方も、全く新しい考え方がこの先でてくるかもしれないよ。
そうだね。偶然の積み重ねでキリンの首があんなに長くなるなんて、僕はちょっと信じられないな。
何らかの世代を超えた進化への意思があると考えた方が、ワクワクするよ。
ところで,生命かどうかがはっきりしない存在がある。ウイルスだ。
次はちょっとそのウイルスについて説明しよう。
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