【分かりやすくまとめると・・・】
・植物が光合成を始めたことで,たくさんの酸素が発生した。そして,酸素を使って呼吸をする生物が現れ出した。
・酸素はやがてオゾン層を作り,太陽からそそぐ有害な紫外線を防いだ。それによって生物は地上に進出することが可能になった。
・隕石衝突等,何回かの大量絶滅を経て,生き残った生物がヒトに進化した。
さて、海の中で誕生したと言われている最初の生物が、ヒトに進化するまでを見てみよう。
生物が酸素を吸ってエネルギーを作り出していることはさっき言ったね。
その酸素はね、最初は地球に存在しなかったんだ。地球の大気は二酸化炭素や窒素で出来ていた。
え?じゃあどうやって生物たちは生きていたの。
酸素以外のものを吸って生きていたんだ。
ちなみに、酸素以外の物で呼吸することを嫌気呼吸といい、酸素で呼吸するのは好気呼吸という。
初期の生物は、海底火山から噴き出してくる硫化水素で呼吸していたと言われているよ。
その硫化水素って、卵が腐ったような臭いがするやつじゃないの。そんなのでよく呼吸できるね。
そうだね。酸素以外のもので呼吸して生きていた生物の中で、やがて光合成をおこなう生物が誕生した。
それ、植物の祖先だね。
そのとおり。その植物の祖先はシアノバクテリアという。
この生物は、日光を利用して、二酸化炭素と水から、酸素と有機物を生み出すことを始めた。
日光が料理の道具で、二酸化炭素と水が料理の材料というわけだ。
そして、余った材料である酸素が体の外に棄てられるんだね。
そう。そうやってシアノバクテリアから生み出された酸素は海にも、空中にも広がっていった。
ここで問題なのが、酸素が本来生物にとって猛毒だということだ。
鉄を外においておくと、錆びるだろ。あれは酸素が鉄とくっ付いて鉄を分解してしまうからなんだ。
つまり、酸素は他の物と簡単にくっついてその物をバラバラにしてしまう作用がある。
そんなものが海中にあふれたら大変なことになるんじゃないの。
そのとおりだ。現に、酸素が大量に生産されたことにより、かなりの生物が滅んでいる。
今やなくてはならない酸素のせいで滅ぶなんて不思議だね。
そうだね。そしてやがて突然変異によって、酸素で呼吸する生物が現れた。
この好気呼吸する生物の登場は非常に大きな意味がある。
なぜなら、酸素で呼吸する方が、それ以外で呼吸するよりも、はるかに大きなエネルギーを生み出せるからだ。
酸素はATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーたっぷりの物質を生み出せるからね。
ところで、エネルギーというのは、物を動かす力だと覚えておくといい。
酸素で呼吸することで、僕たち人間はこの大きな体を動かすことができるんだね。
そう。そして、空中に放たれた酸素は、上空まで登って行き、オゾン層というバリアになった。
そのバリアは何から地球を守っているの。
紫外線さ。紫外線はDNAを傷つける働きをする。
だから強力な紫外線が注ぐ場所では生物は生きていけない。
そうすると、オゾン層が出来て初めて生物は地上にでていくことができたわけだね。
そうだ。それまで生物たちは紫外線の届かない海の中でしか生きることができなかった。
だけどオゾン層が出来たおかげで、地上にでていくものが出始めた。
そこまでには気が遠くなるほどの長い時間がかかったわけだけどね。
生物達は、自らの力で環境を変えたわけだね。
そう。そして、突然変異で生まれた生物達のうち、変化した環境に適応したものが生き残り、どんどん生命は進化していった。
それが積み重なって、やがてヒトが生まれたんだね。
そうだ。ちなみに、ヒトが誕生するまでに、生物は5回大量絶滅している。
一番最近の大量絶滅は恐竜が絶滅した約6550万年前だ。
このとき、全生物の70%が絶滅したと言われている。
それ、隕石が落ちてきたからなんでしょ。
その説が一番有力だね。大きな隕石が衝突すると、衝突で生まれた粉じんが空を覆ってしまう。
そうすると、太陽光が地上に届かなくなって、地球の環境が激変してしまうんだ。
その激変した環境に恐竜たちは適応できなかったから絶滅したんだね。
そう。でもなぜその絶滅した生物以外の生物達が環境に適応できたのかは謎が残っているんだけどね。
次は猿がヒトへ進化した際の重要なポイントとなった直立二足歩行について説明しよう。
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