【分かりやすくまとめると・・・】
・車輪の始まりは,木の枝等が偶然物の下に挟まったこと。
・車輪は,地面と接する部分が少ないので,摩擦が大幅に減少する。そのため,少しの力で車輪を動かし物を運ぶことができる。
・車軸と車輪を組みあわせることで,車輪を大きくすることが可能になった。
太郎,車輪の無い世界を想像してごらん。
不便だね。車も自転車も動かないから,長距離を移動したり,物を運んだりできないね。
そう。車も自転車も,車輪があるからこそ動いている。
車輪が無い場合,何か重い物を移動させるときは,地面を引きずって動かすことになる。
遠い昔,そうやって重い物を引きずって動かすうちに,下に木が挟まった。
それがころころ動くと,軽い力で物が動くことが偶然発見されたんだ。
なんで軽くなるのかな。
木が挟まることによって,物体と地面の摩擦力が減るからさ。
摩擦力というのは,物体の重さと,その物体が地面に接する面積によって変化する。
木の枝が間に挟まって,地面と接する面積が減ったから,摩擦力が減ったんだね。
そのとおり。物と地面の間に木を挟むと運びやすくなることを知った人は,丸太を挟むようになった。
丸太をころころ転がしてその上を動かしていくわけだね。
ベルトコンベアーみたいだな。
うん。最初は丸太を固定していなかったから,移動に伴っていちいち丸太を動かしていた。
そのうち,いちいち動かすのがめんどくさいから,丸太は荷台に固定されて転がされるようになった。
さらに,丸太が太ければ太いほど,速く動かせることが分かってきた。
なんで丸太が太いと動かしやすくなるの?
大きな車輪の自転車と,小さな車輪の自転車を想像してごらん。どちらが速いかな?
それは車輪の大きな自転車でしょ。
そのとおりだ。それはなぜかというと,車輪が大きければ大きいほど,車輪の外周が長くなるからだ。
車輪が一回転した時に移動する距離は,その車輪の外周の長さと同じだからね。
そうか。だから丸太が太いほど移動が速くなるわけだな。でも,太いと重いよ。
そう。だから,単なる丸太ではなくて,軸と車輪を組み合わせたものを使うようになったんだ。
これが車輪の誕生さ。
なるほど。そうすれば太い丸太を使わなくても,車輪を大きくしていけば済むもんね。軸は細いままでいいし。
そうだ。それに車輪の方が方向転換しやすい。
こうやって車輪を作り出したヒトは,やがて馬や牛に車輪を引かせるようになった。
たくさんの重い物を運べるようになるわけだね。
そうすると,商人達が長い距離を移動して物を売ったり買ったりできるようになるね。
そのとおりだ。車輪は遠く離れた人との交流を活発にした。
また,戦争にも利用された。車輪を使えばより遠い場所へ遠征することができるようになるからね。
兵士も武器も食料もたくさん運べるからね。
また,車輪は平たんな場所でしか使えないから,道路を整備する必要が出てくる。
そこで,ローマ街道など,長大な道路が整備された。これによって人々の交流が活発になった。
車輪が文化交流を促したということだね。
そうさ。そして牛や馬など動物の動力に頼って車輪を動かしていた人類は,蒸気機関を手に入れた。
蒸気機関という機械力で車輪を動かすことによって,より遠く,より早く,よりたくさんの物を運べるようになった。
蒸気機関についてはまた別のところで話そう。
車輪を動かす動力の進化で,人類の交流がどんどん加速されていくわけだな。
うん。更に,車輪は船にも影響を及ぼした。
というわけで,次は水上の移動手段である船の話をしよう。
船も人類の交流に大きく貢献している乗り物だからね。
↓読んだついでにポチッと押してください。
にほんブログ村