髭男爵の山田ルイ53世は中2のとき,通学途中にうんこを漏らし,それがきっかけで引きこもりになったらしい。
他人事とは思えない。私も彼のようになっていたかもしれない。
確定的診断を受けたわけではないのだが,私はおそらく過敏性腸症候群である。
簡単に言うと,すぐにお腹を壊して下痢をする。
食べてから便がでるまでが異常に早い。逆便秘状態である。
大体毎日5回ぐらいは大便をするほどである。
大学生になったあたりから特にひどくなった気がしているが,その前から快便野郎であった。
小学生の頃は毎日が便意との戦いだった気がする。
小学生って,なぜか学校でうんこすると鬼の首とったみたいにバカにするでしょ。だからうんこをしに行くのは恥ずかしいという意識があった。
それに加え,私は家のトイレが洋式だから,和式に慣れていない。和式で大便したのは人生において20回ぐらいしかないんじゃないだろうか。
和式になれていないものからすると,和式でうんこするのは非常にハードルが高い。服につくんじゃないかという恐怖がある。
そんなこんなで,小学生の頃,私は一度も学校でうんこをしたことが無かった。
雨にも負けず,風にも負けず,うんこを我慢し続けたのである(中学生になるとどうしても我慢できないときは勇気を出して和式トイレでうんこをするようになったのだが)。
1時間目から便意に襲われた時などは特に悲劇であった。1日がとてつもなく長く感じた。
今の私からすると想像もつかない。今は出勤したら速攻でうんこしに行く。ちょうど出勤するぐらいのタイミングで私の腸は目覚めるので,毎朝強い便意に襲われている。
そんな私に悲劇が訪れたのは小学校5年生の時だった。
未だかつてないほどの便意が私を襲った。しかし,私は耐えに耐えた。
しかもその日は放課後のクラブ活動的なものがある日で,1週間の内で1番帰るのが遅くなる日だった。
私は運動クラブというのに所属していて,その日はバレーボールをやった。
便意をひたすら隠しながら,レシーブ,サーブ,スパイクをこなす私。
腸には便意のスパイクが決まりまくる。何度漏らしそうになったか分からない。
一瞬,肛門から少し顔を出しそうになったうんこをありったけの肛門括約筋力で押し返すなどして,私は何とかバレーを乗り切った。
初めて自分で自分を褒めたい気になりましたね。そして,待ちに待った下校時間。
小学校から家までは確か徒歩で15分くらいだった気がする。
私は一人で家路についた。
家路についても容赦なく襲い掛かる便意。
それを何とかかわしつつ,後半分で家にたどり着くという地点において,その瞬間が訪れた。
ブリブリブリブリブリブリ・・・・・・
尻に感じたあの絶望的な感触は今も忘れられない。
ただ,幸運だったのは,周りに誰もいなかったことだ。
私が下校途中にうんこを漏らしたことは今日にいたるまで母親を除き誰も知らない。
もし,下校途中じゃなくて,体育館でバレーをしている時にうんこを漏らしてたらどうなっていただろう。
一生笑われ続けるレジェンドになってただろうね俺。
俺も山田ルイ53世のように引きこもりになっていたかもしれない。
だから,彼の話は全く他人事ではない。
頑張れ山田ルイ53世。