【分かりやすくまとめると・・・】
・発火点に達しないと火は発生しない。
・マッチ,火打ち石,ライター等,着火の方法は色々あるが,全て摩擦熱を利用している。
・昔は今ほど着火が容易ではなかったため,火が貴重だった。
発火点に達しないと,火が発生しない,ということはさっき説明したね。
例えば木の場合,この発火点は400℃から470℃だ。
昔の人は,どうやってそんな高い熱を発生させたんだろう。
最も原始的なのは木をこすり合わせてその摩擦熱で発火点に到達させる方法だ。
それ,キャンプにいったときにやってみたことあるよ。凄く大変だった。
ところで,なんで摩擦熱は発生するのかな?
原子が振動しているという話は前にしたよね。振動しているもの同士をこすり合わせたらどうなる?
元々振動しているところへ,外部から力が加わるから,もっと激しく振動しそうだね。
あ,そうか。もっと激しく振動する,ということは,熱が高くなっていく,ということか。
そのとおりだ。原子の振動の激しさに比例して熱が高くなるわけだからね。
木をこすり合わせる方法の次に,火打ち石で火を発生させる方法が考え出された。
作者:Hanabishi
これは,鋼に石を打ち付けて,その際に発生する火花を利用する方法だ。
これも実は摩擦熱を利用しているんだよ。
石で鋼を打ち付ける瞬間,凄い摩擦が生まれているわけだね。
でも,何で火が出るのかな。酸素は何とくっ付いているの?
火打石の場合,酸素は鋼の中に含まれる炭素とくっ付いている。
だから,火打石同士をぶつけても,火は発生しない。
江戸時代の日本人は,火打石を使って火を起こしていたんだよ。
ただ,いちいち火を起こすのが面倒だから,一度火をつけたら,それをろうそくとか竈に火を移して消えないようにしていたんだ。
昔は火が貴重だったんだね。
そうだよ。次に,マッチが登場した。これで,火を起こすのはぐっと簡単になった。
マッチは,マッチ棒の頭についている頭薬と,マッチの箱の側面の横薬を摩擦させることによって火を発生させている。
頭薬に含まれる酸素と,横薬に含まれるリンが激しく反応して発火しているんだ。
火打ち石に比べたらはるかに簡単だから便利だね。でも,今はほとんど使わないよ。
ライターがあるからね。ライターの仕組みはどうなっているの?
色んなタイプのライターがあるけど,最も一般的なのは,フリントを使って着火するタイプのものだ。
フリントというのは要するに火打石だよ。
このフリントをハンマーで叩くか,回転式のヤスリとこすり合わせることで火花を発生させる。
その火花がライターの燃料に移って火が生まれるというわけだ。
へえ。ライターの中に小さな火打石が入っているわけだな。
ライターも結局摩擦熱を利用しているんだね。
うん。他には電気で火花を発生させるタイプもある。これはガスコンロなんかと同じだな。
ガスコンロは電気で火花を発生させているんだね。だから電池が入っているんだな。
うん。だから電池が切れると点火できないんだ。
この電気で発生する火花は,電子と空気中の分子が衝突することによって生じている。
衝突によって火花を発生させるという点では,火打ち石と一緒だね。
結局,着火は全て摩擦熱を利用しているということだな。
そうだね。では次に,火薬について説明しよう。
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