この画像は拙著「全検証 コロナ政策」のオビである。
2020年のコロナ感染者数は23万4109人。
2021年はその約6.4倍の149万2874人。
2022年はその2021年の約18.2倍である2722万6973人。
2022年は2020年の116.3倍である。
死者数はどうか。
2020年は2846人。
2021年はその5.2倍の1万4926人。
2022年はその2021年の約2.6倍の3万8881人。
2022年は2020年の13.7倍である。
コロナ初年であった2020年と比較すると、2022年は、感染者数116.3倍、死者数13.7倍。
なお、この数字ですら過少である。それは、陽性率を見ると分かる。
2020年は5.22%、2021年は6.35%だったが、2022年は一気に46.05%になった。
陽性率は高ければ高いほど取りこぼしが多いことを示す。
取りこぼしまくっても圧倒的な数字を記録したのである。
なお、これは1年でならした数字であるから、感染拡大期の陽性率はこんなものではない。80%を超えることもざらである。
これが客観的数字なのだが、2022年頃からもう「コロナは終わり」ムードが漂い始めた。「行動制限の無い夏」が強調されたのは2022年だったが、その夏は、記録されている感染者数だと最大となる第7波が発生した。しかし、あまり人々の記憶には残らなかったようである。
2020年はオリンピックが延期され、甲子園も中止になった。みんなで大騒ぎした。
2022年はその2020年より比較にならないぐらい感染者数も死者数も増加したのに、「終わり」ムードが漂った。
客観的数字と主観が著しくずれた。
私は、2022年の2月から始まったウクライナ侵略が影響したのではないかと思っている。全世界の報道がそちらに集中し、コロナ報道が激減したので、終わってないのに終わったような感じになった気がする。
しかし、数字を見ると真逆である。アルファもデルタも凄かったが、2022年から現在に至るまで猛威をふるっているオミクロンは全くの異次元である。それ以前の株と比較すれば、リトルリーグとメジャーリーグ以上の違いがある。もはや別のウイルスと言った方がよい。
致死率が大きく下がったのはたしかであるが、感染力がけた外れのため、結局死者数は爆増した。「数うちゃ当たる」状態である。
ここで、コロナ以外も含めた全ての死亡者数の前年比増加率を見てみよう。
死亡者数の統計は1944年~46年の数字が欠けており、戦後に絞ると1948年分から前年比増加率を算出できる。この中で見ると、2022年の前年比増加率は9.0%。次に多いのが1988年の5.6%であるからぶっちぎりの1位である。
2022年の死亡者数156万8961人は戦時を除けば史上1位。
前年からの増加数は12万9105人だが、増加数が10万人を超えたのは戦時を除けば史上初である。
2022年はとてつもない勢いで人が亡くなっていったのだ。
「致死率が下がったから安心」などとは言ってられない。
今年の5月8日からコロナが5類に移行し、すっかり「コロナは終わり」ムードになったが、2022年にこんな惨状であったコロナがいきなり終わるだろうか。
終わるわけないだろう。
現実は残酷だ。「コロナは終わり」ムードが漂い始めた2022年は「本番の始まり」だったのだ。オミクロンとその派生株はコロナ界のゲームチェンジャーであり、その前の株達は前座に過ぎなかった。
では、今どうなっているのか。
今年の5月8日に感染状況の全数把握は終わっている。その代わり定点観測で推計値が出されているが、検査を受ける人が少なくなっているので、過少な数字になっている。
最も信頼できる数字は、下水中のウイルスを調査する下水サーベイランスである。これは検査数に左右されない。以下、自主的に公表している自治体のデータを並べていく。
山梨県の調査だとこのようになっている。
以前の波を遥かに超える波が記録されている。
小松市はこれ。急上昇し過ぎているので何か間違っているのではと思ってしまう。
札幌市はこれ。
前2者と比べると、高さは以前の波を超えていないが、波の幅は超過しているので、結局感染者数で言えば以前より多いだろう。
3つ見て分かるとおり、まだピークアウトしていない。
今は史上最大の感染の波が来ているのである。
しかし、全然報道されないので、無いことにされている。
「無視コロナ」作戦である。
だが、あなたの周りでも感染者がぞくぞく出てきているだろう。
お子さんのいる方は、学級閉鎖や学校閉鎖に直面しているだろう。
いつまで無視コロナを続けられるだろうか。
私はたまたま自分で本を書く機会があったから現状を知っているが、そうじゃなかったら、「もうコロナは終わった」とのんきに構えていたかもしれない。
本を書いて思い知ったのは、コロナは終わってないし終わる見込みも無いということだ。
100メートル走だと思って全力疾走してみたら、マラソンだった。
ゴールテープを切ったと思ったら気のせいだった。ゴールははるか彼方にあった。
でも100メートル全力疾走してしまったからもう体力が残っていない。
そんな気分である。
現実を知りたい方には拙著をお勧めする。
「コロナは終わった」という幻想を信じたい方には勧めない。そういった幻想を信じることを私は否定しない。心の安定を最優先するならそれは合理的な行動だ。
現実はあまりにも残酷だから。